婚礼の祝いにアワビを持っていったところ「磯のアワビの片思いとは縁起でもない」と付き返された。 ところが、お祝いにつく熨斗の原料はアワビだと教えられ、 仕入れたばかりの知識でやり込めていくのが落語の「アワビ熨斗」。
アワビは秦の始皇帝にまつわる不老不死の伝説があり、 これを贈ることは相手の長生きを祈る意味が込められているそうです。 中世以来、日本ではアワビの肉をリンゴの皮を剥くように薄く削ぎ、それを伸ばして乾燥させた熨斗を慶事のシンボルとし、 めでたい席の飾りに、また贈り物には必ず付ける慣わしが定着しました。 現代は、 色紙を折った中に貼ってある黄色っぽい細い紙が熨斗のかわりなのだそうです。 伊勢神宮では、現在も古式にのっとった熨斗アワビ作りが行われ ております。
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